診療科目

肛門外科

肛門周囲の病気を診断・治療する科です。

症状
排便時にお尻から飛び出るものがある、常に飛び出ている、排便時に肛門が切れて出血する、肛門周囲が痛く熱っぽい、お尻がかゆい など
疾患
痔核(いぼ痔)、裂肛(きれ痔)、痔瘻(あな痔)・肛門周囲膿瘍、膿皮症(化膿性汗腺炎)、毛巣洞、直腸脱、肛門周囲の皮膚疾患(皮膚感染症、腫瘍など)、肛門そう痒症 など

診察の流れ

1問診
まず詳しい問診を取り、何で困っているのか、何がどのような問題となっているのかを知ることが大切です。
2視診・指診
左を下にして横向きにベットに横になって、腰をベットの縁までくるように強く後ろへ引きます(お尻を突き出すようなイメージ)。上半身は少しうつぶせにし、右膝を強く、左膝を軽く曲げた姿勢をとります。(シムス体位)タオルをかけ、必ず看護師がつきそう等、羞恥心を少なくするよう心がけています。
肛門周囲を眼で見て確認した後(視診)、指を肛門の中へ挿入して肛門内の状態や括約筋といわれる筋肉の状態を調べます(指診)。最後に肛門鏡と呼ばれる器具を使って診察をします。
腹部の診察も行います。仰向けになり、両ひざをたてます。ひざを立てることにより腹部の緊張がとれます。
治療

診察の時点で、入院での手術が望ましいと判断した場合(手術の負担が大きい、術後安静が必要といった場合など)は、長崎市内の総合病院をご紹介しています。

保存療法
生活習慣の改善は痔の治療の基本です。簡単に思えますが予防したり悪化させないために、きわめて重要です。
食生活や排便習慣などのライフスタイルの見直しを指導し、実践していただきます。痔の症状を悪化させないようにする「生活療法(※)」が中心です。
補助的に「薬物療法」も行います。
薬物療法
外用薬(軟膏や坐薬)と内服薬(飲み薬)を使用します。
外用薬:痛みや腫れ、出血を抑える効果があります。1日に2~3回使用します。
内服薬:血流を改善する薬、炎症を抑える薬、抗菌薬、便を柔らかくする薬などがあります。

生活療法

排便のポイント

肛門に大きな負担をかけます。完全にだしきろうと強くいきまないことも重要です。

  • 排便後、洗うときに強くこすらず、洗った後は十分乾燥させましょう。
  • 下痢や便秘をしないように心がけましょう。
食事のポイント
  • 食物線維、水分を十分とりましょう。便の量と便の水分量を増やすことが大切です。
  • 朝食をとりましょう。冷たい飲物だけでもいいですので朝食をとり、胃腸の活動を活発させ、便意を起こさせます。
  • アルコールや刺激物を控えましょう。肛門を刺激したりうっ血して痔の悪化の原因となります。
その他のポイント
  • 毎日お風呂に浸かりましょう。また体を冷やさないようにしましょう。肛門の血行を良くすることが重要です。
  • 同じ姿勢をとり続けないようにしましょう。肛門がうっ血しやすくなります。
  • 適度な運動をしましょう。運動は腸の動きを活発にします。